2007年 06月 02日
『萌えハリケーン 清杉』 |
夏。
最高気温が35℃を上回ることもさほど珍しくない。
そんな中、冷房無しの学校の教室で補習を受ける生徒が数人。
これは、本物の台風が猛威を振るう季節に、本物をも超える台風に遭遇した男共の物語である。
ミーシャワシャワジーシュインシュイギミャー!!!
「………暑いな」
「ああ…」
「蝉が鳴くと余計に暑く感じるよな……」
「あ…ぁ…」
「なぁ、お前目が虚ろだぞ。大丈夫か?」
「そうだな…今日をメキシコに吹く熱い風という意味で『サンタナの日』と名付けよう…」
「せんせー、コイツ保健室に連れて行きまーす」
本来ならば冷房がある教室で行われるはずの補習だったが、現実は甘くない。
どこぞの銃刀法違反者が校内で銃を乱射し、冷房を破壊してしまったのだ。
結果、冷房無し・熱気ムンムンの教室で補習をしたために、バタバタ人が倒れるハメになっている。
「これで三人目ですか……」
出席簿でパタパタと扇ぎながら、担任の神楽坂先生がぼやく。
まぁさっきから五分間隔で保健室行きがでれば仕方ない気もする。
「先生ー、一旦休憩した方がいいんじゃないですか?」
「そうね…このままじゃ授業にならないし、保健室組が回復するまで教室待機!いいですね」
よっしゃ、ナイス提案オレ!
先生が教室から出て行くとコールドスプレーを体に吹き付けるオレ、クールダウッ!
「おーい、俺にも貸してくれー」
「いいぜー、投げるぞ」
体育の授業終了後のようなやり取りが繰り広げられる。
「…なぁ、気付いてるか?」
フッ、素人め。ここはスルーするところだ。
「あの二人ってさ…何なんだ?」
遠慮がちに彼が指差したその先には…
カティア・グリニャールと紫雲統夜の姿があった。
「お前、それは気にしたら負けだぞ?」
「いや無理だろ!さっきから思ってたけどあいつらのせいだろこの暑さ!」
「……君は何をいってるんだ」
「やめろ!そんな哀れみの目で俺を見るな!」
実際、教室の隅でイチャイチャとストロベリってれば気付かない訳は無いのだが。
「だってほら、なんかハートが飛び散ってるじゃねぇか!」
「可哀相に…酸素欠乏症にかかって…」
「ええぃネタはいい!現実を見ろ現実を!」
「あのなぁ、あの二人は背景だ。気にしちゃいけない」
「だから無理だって!コレ見ろよ!温度計が40℃振り切ってるじゃねぇか!」
「あの二人が本気でストロベリったらこんなの比じゃないぞ」
「何ィ?じゃあ俺は帰る!補習なぞ知ったことか!」
ぶっきらぼうに言い放つと帰り支度を始める。素人が。
「そんじゃな、せいぜい死なんよう頑張れ」
ガタガタッ
「……あれ、堅ぇな」ガタガタッ、ガタタッ
ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
「開かねぇぇええーーーーっ!!!」
「熱で変型したみたいだな」
「おおォぶっ壊してやるァアァアァ!」
人を観察して面白いと思うのは久しぶりだな。
「ふゥゥゥおをオオォアーーーーッ!!!!」
「うん、いい感じで壊れたな、お前の脳とか」
「おぉお!燃え上がるほどヒート!!」
バキョン!
「引きちぎるほど…ショートォウァァア!!」
ボグシャアッ!!
「おお、それはネオジャパン代表のドモン・カッシュの必殺技、ゴッドフィンガーじゃないか」
「ゼヒッ……ゼェ……っあぁ、叫びすぎて喉乾いちまった…み、水…」
「はい、ミミズ」
ゴウッ
高温の部屋に急激に送り込まれた冷たい空気が上昇気流を巻き起こした。
俺たちは天高く舞い上がり、そして風となった。
最高気温が35℃を上回ることもさほど珍しくない。
そんな中、冷房無しの学校の教室で補習を受ける生徒が数人。
これは、本物の台風が猛威を振るう季節に、本物をも超える台風に遭遇した男共の物語である。
ミーシャワシャワジーシュインシュイギミャー!!!
「………暑いな」
「ああ…」
「蝉が鳴くと余計に暑く感じるよな……」
「あ…ぁ…」
「なぁ、お前目が虚ろだぞ。大丈夫か?」
「そうだな…今日をメキシコに吹く熱い風という意味で『サンタナの日』と名付けよう…」
「せんせー、コイツ保健室に連れて行きまーす」
本来ならば冷房がある教室で行われるはずの補習だったが、現実は甘くない。
どこぞの銃刀法違反者が校内で銃を乱射し、冷房を破壊してしまったのだ。
結果、冷房無し・熱気ムンムンの教室で補習をしたために、バタバタ人が倒れるハメになっている。
「これで三人目ですか……」
出席簿でパタパタと扇ぎながら、担任の神楽坂先生がぼやく。
まぁさっきから五分間隔で保健室行きがでれば仕方ない気もする。
「先生ー、一旦休憩した方がいいんじゃないですか?」
「そうね…このままじゃ授業にならないし、保健室組が回復するまで教室待機!いいですね」
よっしゃ、ナイス提案オレ!
先生が教室から出て行くとコールドスプレーを体に吹き付けるオレ、クールダウッ!
「おーい、俺にも貸してくれー」
「いいぜー、投げるぞ」
体育の授業終了後のようなやり取りが繰り広げられる。
「…なぁ、気付いてるか?」
フッ、素人め。ここはスルーするところだ。
「あの二人ってさ…何なんだ?」
遠慮がちに彼が指差したその先には…
カティア・グリニャールと紫雲統夜の姿があった。
「お前、それは気にしたら負けだぞ?」
「いや無理だろ!さっきから思ってたけどあいつらのせいだろこの暑さ!」
「……君は何をいってるんだ」
「やめろ!そんな哀れみの目で俺を見るな!」
実際、教室の隅でイチャイチャとストロベリってれば気付かない訳は無いのだが。
「だってほら、なんかハートが飛び散ってるじゃねぇか!」
「可哀相に…酸素欠乏症にかかって…」
「ええぃネタはいい!現実を見ろ現実を!」
「あのなぁ、あの二人は背景だ。気にしちゃいけない」
「だから無理だって!コレ見ろよ!温度計が40℃振り切ってるじゃねぇか!」
「あの二人が本気でストロベリったらこんなの比じゃないぞ」
「何ィ?じゃあ俺は帰る!補習なぞ知ったことか!」
ぶっきらぼうに言い放つと帰り支度を始める。素人が。
「そんじゃな、せいぜい死なんよう頑張れ」
ガタガタッ
「……あれ、堅ぇな」ガタガタッ、ガタタッ
ガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタガタ
「開かねぇぇええーーーーっ!!!」
「熱で変型したみたいだな」
「おおォぶっ壊してやるァアァアァ!」
人を観察して面白いと思うのは久しぶりだな。
「ふゥゥゥおをオオォアーーーーッ!!!!」
「うん、いい感じで壊れたな、お前の脳とか」
「おぉお!燃え上がるほどヒート!!」
バキョン!
「引きちぎるほど…ショートォウァァア!!」
ボグシャアッ!!
「おお、それはネオジャパン代表のドモン・カッシュの必殺技、ゴッドフィンガーじゃないか」
「ゼヒッ……ゼェ……っあぁ、叫びすぎて喉乾いちまった…み、水…」
「はい、ミミズ」
ゴウッ
高温の部屋に急激に送り込まれた冷たい空気が上昇気流を巻き起こした。
俺たちは天高く舞い上がり、そして風となった。
by osomatusan
| 2007-06-02 12:24
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